富士山 御殿場ルートと須走ルートを比較|混雑を避けたい初心者はどちらを選ぶ?

富士山に登ってみたいけれど、「人の多いルートは避けたい」「自分のペースで登りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。

私は登山初心者として、2025年に御殿場ルート、2026年に須走ルートで富士山に登りました。どちらも山小屋に1泊する計画です。

実際に両方を歩いてみて感じたのは、どちらが楽というより、きつさの種類が違うということでした。この記事では、2つのルートの違いを体験をもとに比べてみます。

※富士宮ルート・吉田ルートはまだ登っていないため、この記事では扱っていません。登ったら追記します。

富士山 須走ルートの樹林帯を抜けた先に広がる雲海
須走ルート。樹林帯を抜けると雲海が広がります

結論:御殿場と須走、こんな人に向いています

先に結論です。まず前提として、どちらのルートも体力はしっかり必要です。どちらも私にとっては楽なルートではありませんでしたが、向いている人は少し違うと感じました。

御殿場ルートが向いている人

  • 人の少ない道で、自分のペースを守って登りたい人
  • 長い砂地の登りを覚悟して、山小屋泊でゆっくり登れる人
  • 剣ヶ峯(富士山の最高地点)でご来光を見たい人

須走ルートが向いている人

  • 日差しを避けて、木陰のある樹林帯から登り始めたい人
  • 山頂近くの混雑(吉田ルートとの合流)を受け入れられる人
  • 間に何もない水平線から昇るご来光を見たい人

ここからは、比較表と5つの違いで詳しく紹介します。

ひと目でわかる比較表

私が実際に登ったときの記録です。

項目 御殿場ルート 須走ルート
登った日 2025年7月10日〜11日(開山初日に登山開始) 2026年7月9日〜10日
泊まった山小屋 七合九勺 赤岩八合館(約3,300m) 本七合目 見晴館(3,200m)
五合目→山小屋 約5時間50分 3時間24分
山小屋→山頂 約1時間50分(夜中に出発) 約2時間(1日目の昼)
下山 3時間25分(剣ヶ峯→御殿場口。朝食・宝永山への寄り道込み) 約2時間(見晴館→五合目)
歩いた距離・のぼり 約18km・約2,400m(GPSの記録から計算。宝永山込み) 16.4km・2,391m(七合目〜山頂を2往復)
コース定数(YAMAPモデルコース) 52 43
混雑 登山道は空いていた。剣ヶ峯のご来光は混雑 九合目を越えたあたりから混雑
道の特徴 下は長い砂地、上はガレ場 下は樹林帯(段差が多い)、上は砂礫
下山道 大砂走り 砂走り
ご来光を見た場所 剣ヶ峯(火口越し) 須走口山頂(水平線から)
アクセス 御殿場駅からバス 御殿場駅からバス
入山料 4,000円 4,000円
山小屋代(私の場合) 平日に宿泊。公式サイトでは1泊2食10,000円(金土日・お盆は+2,000円) 11,000円

※泊まった山小屋の高さや、寄り道・往復の回数が違うため、数字は単純には比べられません。目安として見てください。 ※コース定数は、登山のきつさを数字で表したものです(大きいほどきつい)。 ※料金は私が登った時点のものです。山小屋代は山小屋や曜日によって違うので、最新の情報は各山小屋の公式サイトで確認してください。

違い① 道のりときつさ:長い砂地の御殿場、段差の多い樹林帯の須走

御殿場ルートは、五合目から新六合目まで砂地が続きます。一歩踏み込んでも砂で足が滑り、半歩分も進めないことがよくありました。いちばんきつかったのは新六合目から七合目の区間で、七合四勺に着いたころには体力が限界に近づいていました。

富士山 御殿場ルートの砂地とガレ場の登山道
御殿場ルートの登山道

須走ルートは、登り始めが樹林帯です。木陰が多く、直射日光が当たらないのは快適でした。ただ段差が多く、御殿場ルートとは違うしんどさがありました。木がなくなってからは日差しが強くなり、足場も険しくなった印象です。

須走ルート 五合目付近の樹林帯の登山道
須走ルートは樹林帯から始まります

どちらのルートでも、Apple Watchで心拍数を見ながら、休憩をとって歩きました。須走ルートのときは、自分なりの目安として心拍数が140を超えないように意識していました。また、晴れた日中はどちらもとても暑く、Tシャツ1枚が汗まみれになるほどでした。

違い② 混雑:空いている御殿場、山頂近くで混む須走

御殿場ルートを選んだいちばんの理由は、登山者の少なさです。実際に登山道は空いていて、譲り合いながら自分のペースで登ることができました。ただし、ご来光の時間の剣ヶ峯は非常に混雑していました。

須走ルートは、吉田ルートと合流するまでは自分のペースで歩けました。しかし2日目の夜中、九合目を越えたあたりから道幅が狭くなり、誘導員さんに進むよう促されて、自分のペースで登れなくなりました。睡眠不足もあり、ここが須走ルートでいちばんの試練でした。

須走ルート 九合目 標高3600mの標識
須走ルートの九合目

「とにかく空いている道で、自分のペースを守りたい」という方には、御殿場ルートが合っていると思います。

違い③ 山小屋とご来光

山小屋

どちらの山小屋も、夕食はカレーでした(赤岩八合館はおかわり自由)。大きな荷物を山小屋に預けて、軽装で山頂を目指せたのも共通です。

  • 赤岩八合館(御殿場):スタッフの方が出発時間やペース配分を教えてくださり、初心者にはとても心強かったです。消灯までは明るく賑やかなので、アイマスクと耳栓があると休みやすいと感じました。
  • 見晴館(須走):寝床は雑魚寝で狭く、あまり眠れませんでした。夕方、たまたま涼みに外へ出たときに影富士を見ることができ、とても感動しました(御殿場ルートの年は、夕方は荒天で見られませんでした)。
富士山の本七合目から見た夕方の影富士
見晴館の前から見た影富士

ご来光の見え方

  • 御殿場ルート:剣ヶ峯から、火口越しにご来光を見ました。このときは寒さが気にならず、Tシャツにウィンドブレーカーで過ごせました。
  • 須走ルート:須走口山頂から、間に何もない水平線から昇るご来光を見ました。この年はとても寒かったです。

どちらも、何度見ても良い景色でした。

富士山 剣ヶ峯から見たご来光
御殿場ルート。剣ヶ峯から火口越しに見たご来光
富士山 須走口山頂から見た御来光
須走ルート。須走口山頂から水平線に昇るご来光

違い④ 下山:大砂走りと砂走りはあまり変わらない

下山道は、御殿場ルートが「大砂走り」、須走ルートが「砂走り」です。どちらも砂の斜面を下っていく道で、実際に歩いた感覚としてはあまり変わりませんでした。

  • 御殿場ルート:小石でバランスを崩しやすく、2回ほど転びかけました。新五合五勺(次郎坊)を過ぎると地面が硬くなり、着地の衝撃で足が痛くなります。道の両脇の、砂が柔らかいところを歩くと衝撃が和らぎました。途中で宝永山にも立ち寄りました。
  • 須走ルート:滑って転びそうになりました。砂対策として、サングラスをかけて歩きました。
富士山 御殿場ルートの下山道 大砂走り
御殿場ルートの大砂走り

違い⑤ アクセスと費用

どちらのルートも、私は御殿場駅からバスで五合目へ向かいました(須走ルートは7時45分発のバス)。

入山料は、2025年から静岡県側のルートはどこも4,000円です。山小屋代は山小屋や曜日によって違うので、比較表の「私の場合」を目安にしてください。

バスの時刻やマイカー規制(須走ルートは規制期間中、五合目までマイカーで行けません)は年によって変わります。最新の情報は、富士登山オフィシャルサイトのルート比較ページで確認してください。

両ルートで役立った装備・あればよかった装備

持っていってよかったもの

  • Apple Watch(心拍数を見てペースを調整)
  • マフラータオル(日焼け防止と汗拭き)
  • YAMAPアプリ(ルートと残りの距離の確認)
  • 塩タブレット・行動食
  • サングラス(砂走りの砂よけ)

あればよかったもの

  • トレッキングポール(御殿場ルートの砂地で特に欲しかった。現地でレンタルもありました)
  • アイマスクと耳栓(山小屋で休むため)
  • つばが全体にある帽子(顔全体を日差しから守れるハイキング用のもの)

富士宮ルート・吉田ルートについて

富士宮ルートと吉田ルートは、まだ登っていません。登ったらこの記事に追記して、4ルートを比べられるようにする予定です。

まとめ:きつさの種類で選ぼう

御殿場ルートと須走ルートは、どちらが楽というより、きつさの種類が違うルートでした。どちらを選んでも、体力はしっかり必要です。

  • 空いている道で、自分のペースを守りたいなら御殿場ルート
  • 木陰のある樹林帯から登り始めたいなら須走ルート

どちらも山小屋に泊まって無理のないペースで進めば、初心者の私でも山頂からのご来光を見ることができました。

それぞれのルートの詳しい行程は、こちらの記事で紹介しています。